谷村裁判所(やむらくさいばんしょ)

現甲府地方裁判所都留支部(都留市中央2丁目1の1)
谷村裁判所(大正時代)

明治 5年 9月19日
初めて山梨県庁内を区別して山梨裁判所を置き、同20日より事務取扱を開始し県一円を管轄する。
5年10月19日
谷村区裁判所を置く。当時は下谷1番地にあった代官所の陣屋を使用し執務したが、建物は某氏の古材を購入して旧幕時代に建築したものであった。
6年 4月24日
谷村区裁判所を廃止する。(山梨県史は4月18日とある)
9年 3月27日
山梨裁判所管下に前記庁舎を使用して再び谷村区裁判所を設置する。
9年 9月13日
府県裁判所を廃して本県外22ケ所に地方裁判所を置くに当り、山梨県は静岡地方裁判所の管轄に属した。
9年10月27日
谷村区裁判所は静岡地方裁判所の管轄に属す。
10年11月
内務省から前記庁舎の敷地を管理換えされる。(1,236坪)
14年 6月
庁舎新築工事が竣工した。木造瓦葺平家建、延坪346.5平方メートル、工費1,628円40銭。
14年10月 6日
静岡裁判所甲府支庁を廃して甲府始審裁判所となり、谷村裁判所は甲府始審裁判所の管轄に属して、谷村治安裁判所と改称する。(明治15年1月1日施行)
23年11月 1日
裁判所構成法が施行され、谷村区裁判所と改称し、同時に乙号支部を置き予審を要するものを除く外地方裁判所の裁判権に属する刑事第一審の事務を取扱う。
24年2月
庁舎改築工事が完成し、3月8日甲府地方裁判所長、同検事正臨席の上移庁式を行なう。木造瓦葺2階建本館および附属建物延坪967、1平方メートル、工費4,435円89銭。
24年10月 3日
支部を廃止する。
26年 6月19日
支部を設置する。
30年 9月10日
谷村支部において予審事務を取扱うこととなる。
33年11月 5日
予審事務取扱いを停止する。
36年 5月25日
支部の裁判事務取扱いを停止する。
大正 2年 4月21日
谷村支部が廃止され単独区裁判所となる。
13年 1月15日
大正12年大震災の被害のため、谷村町上谷第704番所在の谷村町有限責任輸出甲斐絹生産購売組合所有の事務所、撚糸工場を賃借し、仮庁舎として移転する。
13年 6月30日
復旧工費2万946円69銭をもって庁舎復旧工事を竣工し完成する。
昭和16年 6月19日
明治24年建築の掲示板(明治40年代崩壊)の取りこわし並びに工事費278円42銭をもって新設、正門向って右方垣上に新設する。
22年 5月 3日
裁判法施行により甲府地方裁判所谷村支部(乙号)を設置、区裁判所を廃止して谷村簡易裁判所を設置する。
22年 7月19日
管轄区域変更、大月簡裁設置に伴い、北都留郡大月町外8町村を同簡裁の管轄区域に編入する。
30年 8月 1日
都留市制施行により庁名を甲府地方裁判所都留支部(乙号)及び都留簡易裁判所に変更する。
33年6月14日
庁舎本建築工事着工。
33年6月17日
裁判所庁舎と支部長宿舎との交換契約を締結。支部長宿舎(下谷682番地)敷地60坪、木造瓦葺平家建20坪、物置2坪、その他門、塀等。裁判所庁舎(下谷1番地)事務所建物木造2階建220坪(延べ263坪)、倉庫木造2階建13坪(延べ23坪)、住宅 木造平家建24坪、雑屋敷(控所・便所・廊下)32坪、物置1坪、工作物、電灯、門等、双方評価額 104万9千770円。
34年3月31日
庁舎本建築工事竣工、鉄筋コンクリート2階建、敷地3139平方メートル、建坪394平方メートル、延坪942平方メートル、工費 1千716万9160円。
50年3月20日
庁舎増築工事竣工。鉄筋コンクリート2階建、建坪150、6平方メートル、延坪294、6平方メートル、工費5377万円(改装工事費を含む)

 なお、旧谷村裁判所の建物は、現在山中湖村旭ヶ丘に、東京都立田園調布高校山中寮として残されている。

【詳しく知りたい人】
都留市史 通史編 1996 都留市史編纂委員会
都留の今昔』 1978 都留市老人クラブ連合会